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note 第13回~インボイス制度 売手負担の振込手数料について~

九州福岡の税理士法人サムライズです。

 

インボイス制度施行まで、1月を切りました!

今回はインボイス制度施行後に取引先(買手)の都合で差し引かれた振込手数料相当額の実務上の処理方法についてです。

 

※この記事は税理士サムライズnoteにも掲載しております。

 

 noteには、知っているとちょっと得する税やお金のお話を掲載しております。

 下記のURLからnoteにアクセスできますので、お気軽に足をお運びください。

税理士法人サムライズnote:九州福岡の税理士法人サムライズ|note

 

 

(1) 買手が振込手数料を負担する場合

【取引イメージ】

代金:11,000円(消費税10%) 振込手数料:330円

買手から売手への支払額  :11,000円

買手から金融機関への支払額:  330円

・事務処理 :インボイス前後で新たに必要となる処理はありません。

・会計処理 :

①買手側:

仕入れ  11,000 現預金 11,330

振込手数料  330

②売手側:

現預金  11,000 売上  11,000

・消費税負担:

①買手側:課税仕入れ 11,330円(商品代金11,000+振込手数料330円)

②売手側:課税売上げ 11,000

 

(2) 売手が振込手数料を負担する場合

売手が振込手数料を負担する場合には、売り手が負担する振込手数料について、

①買い手に対する売上値引き

②売手が買手に代わり負担する支払手数料

のどちらとして処理するかによって取扱いが異なります。

 

【取引イメージ】

代金:11,000円(消費税10%) 振込手数料:330円

買手から売手への支払額  :10,670円(代金11,000円-振込手数料330円)

買手から金融機関への支払額:  330円

【インボイス制度下における取扱い】

    会計処理    取引のイメージ   インボイス制度への対応

① 売上のマイナス   売手による    ・売手が買手に対して値引きに関するインボイスを交付する

            売上の値引き   (1万円未満の場合は不要)

②支払手数料      買手による    ・買手が振込手数料を立替えたと考える

            手数料の立替え  ・売手が買手から金融機関から受領した振込に係るインボイス

                      と立替金精算書の交付を受ける

 

①振込手数料を売上値引きとして処理する場合

・事務処理 :インボイス前後で新たに必要となる処理はありません。

(令和5年税制改正により、「税込10,000円未満の返品・値引きなどについては返還インボイスを発行しなくてよい」ことになりました。)

・会計処理 :

1.買手側:

仕入れ  11,000 現預金 11,000

2.売手側:

現預金  10,670 売上  11,000

売上値引き 330 

・消費税負担:

1.買手側:課税仕入れ 11,000

2.売手側:課税売上げ 10,670円(商品売上11,000-振込手数料(売上値引き)330円)

 

②売手が買手に代わり負担する支払手数料として処理する場合

・事務処理 :買手(振込んだ相手側)から売手に対し、下記の2点の交付(受領)が必要となります。

1.振込手数料に係るインボイス

2.立替金精算書

・会計処理:

1.買手側:

仕入れ  11,000 現預金 11,000

2.売手側:

現預金  10,670 売上  11,000

支払手数料  330 

・消費税負担:

1.買手側:課税仕入れ 11,000

2.売手側:課税売上げ 11,000

     課税仕入れ  330

 

(3) 会計処理と消費税上の処理が異なる場合(会計処理は支払手数料、消費税は対価の返還等としたい場合)

 上記(2)では、会計上と消費税上の取扱いが同様となっている場合についてご説明しましたが、支払手数料として会計処理をしつつ、消費税は対価の返還等としたい場合、があります。

 上記の取扱いについては、財務省から公表された「インボイス制度の負担軽減措置のよくある質問とその回答」の問18に記載されています。

参考:<財務省:インボイス制度の負担軽減のよくある質問とその回答>

 実務上は、支払手数料や雑費などの科目で会計処理をしつつ、会計ソフトで仕訳を記帳した際の消費税区分を対価の返還等とすればよい、ということになります。

 

(4)  振込方法ごと(ATM、ネットバンキングなど)の仕入税額控除の取扱い

 銀行の振込手数料が発生するパターンとしては、下記の3つが想定されます。

①窓口での振込

②ATMでの振込

③インターネットバンキングでの振込

それぞれの仕入税額控除の際の対応については、下記の通りになります。

【仕入税額控除の際の対応方法】

    取引内容      インボイス保存の要否           備 考

① 窓口              必要      窓口で交付される振込依頼書などの保存が必要。

② ATM              不要      振込手数料が3万円未満であれば、帳簿のみの保存

                          で仕入税額控除が可能。(自動販売機特例)

③ インターネットバンキング    必要      ATM振込と異なり自動販売機特例の対象外。

                          窓口の取扱いと同様にインボイスの保存が必要。

※銀行ごとにインボイスの交付方法などが異なる可能性がありますので、必ず取引銀行のHPなどをご確認ください。

 

(5) まとめ

売手負担の振込手数料に関しては、「経理処理の違いで税務署に支払う消費税額を変えるなどという事はないのではないか。」といった意見もありました。財務省のQ&Aにより、最終的に経理処理の違いによる税負担の問題は解消されたかと思われます。

 

残りの準備としましては、取引先ごとの手数料負担を見直し忘れずに実務対応を進めていくことが必要です。インボイス制度施行まで1月を切っておりますので、制度施行後に慌てることが無いように事前の準備を進めていきましょう!

 

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